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スーパーコンピュータの意味と使い方をマスターしよう!

スーパーコンピュータとは、科学技術の計算などに使われる高性能なコンピュータのことです。明確な定義などはありませんが、一般的にはその時代での最新技術が投影されているコンピュータのことをスーパーコンピュータと呼ぶことが多いようです。スーパーコンピュータは量子力学、天気予報、計算科学、物理シミュレーションなどに使用されており、間接的ではありますがわれわれの生活にも貢献しています。

 

スーパーコンピュータの実力

スーパーコンピュータ

スーパーコンピュータの実力を測る指標はいろいろありますが、その中でもよく使われるのが1秒間あたりの浮動小数点演算回数FLOPS」です。浮動小数点数は広い範囲の実数を実現するのに向いているデータの形式であり、その計算を何回できるかを示すのがFLOPSです。たとえば、1秒間に1000回の計算ができる場合は1000FLOPS=1kFLOPS、100万回の計算ができる場合は100万FLOPS=1MFLOPSといった感じで表現されます。現在のスーパーコンピュータの性能は1京(10の16乗)FLOPS=10P(ペタ)FOPSの領域にまで達しています。(1ペタは10の15乗)

仮に地球人全員が1秒につき1回計算できると仮定すると、1京回の計算をするのには17日かかります。これだけの作業をたった1台で、たった1秒でやってしまうのですからそのすごさがわかるかと思います。

さて、スーパーコンピュータに限った話ではありませんが、コンピュータの性能を底上げするために最も効果的なのはCPUの処理性能の向上であるといわれています。簡単に言えば、高性能なCPUを使うほど処理性能が向上するというわけですね。

とはいえ、CPUの性能なんて早々上がるものではありません。そのため、スーパーコンピュータにはたくさんのCPUが搭載されています。たくさんCPUが搭載されていればそれだけ作業を分担させることができ、処理能力が高まります。たとえば、国産のスーパーコンピュータとして知られている「京」には、約8万個ものCPUが搭載されています。

むろん、CPUだけでなくその他のパーツもたくさんあります。「京」には20万本以上のケーブルがつながれています。メモリの総容量は1.26PB(ペタバイト)です。そのため、一般的にスーパーコンピュータはとても大きいです。たとえば、「京」は864個の計算躯体から成り立っています。一つ一つの躯体もそれなりにサイズがあり、理化学研究所の広い部屋に設置されています。

 

ベクトル型コンピュータとスカラー型コンピュータ

単一のデータを個別に処理するコンピュータをスカラー型コンピュータといいます。それに対して、演算装置を複数持つ専用のCPUを用いて、異なるデータを並列に処理するコンピュータをベクトル型コンピュータといいます。わかりづらい、という方は、「スカラー型=汎用性の高いコンピュータ、安価でそこそこの性能」「ベクトル型=専用のコンピュータ、高性能で高価」と理解しておけばいいでしょう。

以前のスーパーコンピュータは高性能なベクトル型コンピュータが主流でしたが、CPUやサーバーの性能が飛躍的に向上した1990年以降は、スカラー型コンピュータが主流になってきています。ベクトル型コンピュータをわざわざ開発するよりも、安価でそこそこの性能のスカラー型コンピュータ用のCPUを複数用いて並列処理を行ったほうが経済的で性能を良くしやすくなったからです。

 

スーパーコンピュータの歴史

スーパーコンピュータの定義は正確に定まっていないのですが、世間一般では1964年に開発された「CDC6600」が世界初のスーパーコンピュータであるとされています。スーパーコンピュータの父と称されるクレイ(Seymour Roger Cray)が設計したものであり、メモリアクセスや入出力を周辺のハードに持たせ、CPUは演算処理に集中させるという形式をとっています。速度は3MFLOPSと今のスーパーコンピュータからすれば止まっているも同然ですが、それでも当時としては優れたものでした。

その後1972年には、世界初のスカラー型のスーパーコンピュータである「ILLIAC IV」が開発されます。256のプロセッサが4つの制御ユニットにより制御される形式をとっています。性能は高いものの価格が高いために量産されることはありませんでしたが、それでも100MFLOPSと当時としては最高クラスの性能でした。

その後1976年には「CDC6600」の開発者であるクレイがさらに進歩したスーパーコンピュータ「Cray」を開発します。80MHzのシステムには集積回路が使われており、配線を短くするために上から見るとアルファベットの「C」のような独特な形をしています。また、冷却には液体フレオンが利用されています。

非常に高額で初期の販売価格は800万ドル(日本円で22億円程度)でしたが、それでも世界で80台を売り上げました。

1980年代に入ると、日本もスーパーコンピュータの開発に本腰を入れるようになります。当時の通商産業省(現在の経済産業省)は、1989年までに10GFLOPSのスーパーコンピュータを開発するという目的を立てています。日本初のスーパーコンピュータは富士通の「FACOM VP-100/200」であるとされています。その後も富士通を筆頭に日立、NECなどからさまざまなスーパーコンピュータが開発されています。中でも1993年に登場した富士通の「Numerical Wind Tunnel(数値風洞)」は最速600GFLOPSで、約4年間にわたり世界最強のスーパーコンピュータの座に君臨するなど、圧倒的な性能を誇っていました。

1997年にはCPUの開発でおなじみ、アメリカのインテル社が「ASCI Red」を開発します。今までのスーパーコンピュータと比べてはるかに低価格でありながら高い性能を持ち、「Pentium Pro」を6000個以上使うことによって1TFLOPSの壁を突破しました。

日本では経済の低迷などから1990年代にはあまりいいスーパーコンピュータが生まれませんでしたが、2000年代に入ると皆さんもご存知であろう「京」が開発されます。「京」は日本の理化学研究所(兵庫県神戸市)に設置されているスーパーコンピュータで、処理能力は実に10PFLOPSにも達しています。

しかしそんな「京」の天下も短命に終わります。中国で開発された「天河2号」は2013年6月にスーパーコンピュータTOP500の1位の座を獲得すると、2015年6月まで世界最速5連覇を続けています。処理速度は京の約3倍、33.86PFLOPSですが、中国の設計者たちは2018年間までに100PFLOPSを達成したいと考えているようです。

かつては日本とアメリカがほぼ上位を独占していたスーパーコンピュータ開発ですが、最近は上記の通り中国も開発に加わってきており、その競争も激化しています。今は天河2号が王者となっていますが、この天下もいつまで続くかわかりません。国産のスーパーコンピュータには、ぜひ巻き返しを図ってもらいたいものです。

 

スーパーコンピュータの世界大会

スーパーコンピュータの世界大会

1993年から、世界のスーパーコンピュータの処理性能を計測してランキング形式で発表するプロジェクト「TOP500 Supercomputer Sites(スーパーコンピュータTop500)」が行われています。運営はドイツのマンハイム大学、アメリカのテネシー大画工などが共同で行っています。計測は毎年6月と11月に行われ、トップ500までが発表されます。

性能の計測には「LINPACK」というプログラムが使われています。LINPACKはコンピュータの性能を図るために作られた、連立一次方程式の答えを出すためのプログラムです。連立一次方程式自体はそれほど難しいものでもなく、学生レベルの学力でも時間さえあれば十分解くことができますが、スーパーコンピュータは人間とは比べ物にならないスピードで解いていきます。

1993年のプロジェクト発足以降、日本とアメリカが毎回歴代1位を獲得していましたが、2010年11月には中国の「天河1号」が初めて1位を獲得。さらに2013年6月からは中国の「天河2号」が6回連続でトップを独占しています。

2015年6月のスーパーコンピュータトップ10
  1.  天河2号(中国)
  2.  タイタン(アメリカ)
  3.  セコイア(アメリカ)
  4.  京(日本)
  5.  Mira(アメリカ)
  6.  Piz Daint(スイス)
  7.  Shaheen II(サウジアラビア)
  8.  Stampede(アメリカ)
  9.  JUQUEEN(ドイツ)
  10.  Vulcan(アメリカ)
トップ500に入ったスーパーコンピュータの国別保有台数
  1.  アメリカ(233台)
  2.  日本(39台)
  3.  ドイツ(37台)
  4.  中国(37台)
  5.  イギリス(31台)

こうしてみるとアメリカの一人勝ちといっても過言ではないですね。今でこそ中国が世界ナンバーワンの座に座っていますが、いずれまたアメリカが巻き返すのはほぼ間違いないでしょう。事実、アメリカは現在天河2号を超える2台の新しいスーパーコンピュータを開発しています。なかでもSummitと呼ばれるコンピュータは150PFLOPS~300PFLOPSに達する見通しです。

 

スーパーコンピュータの役割

スーパーコンピュータの役割

さて、ここまで読んでスーパーコンピュータの性能については理解していただけたかと思いますが、それと同時にこんな疑問が浮かんできた方もいらっしゃるかもしれません。「そんなに処理性能を上げて何の意味があるのか、わざわざお金をかけて開発をしなくてもいいのではないか」と。今民間で出回っているコンピュータも十分レベルが高いですし、そう思うのはおかしいことではありません。しかし、結論から言えばスーパーコンピュータの開発は我々の生活向上には必要不可欠なものです。

スーパーコンピュータの主な役割は、シミュレーションをすることです。シミュ―レーションとは本物に対応するモデルを作成して実験を行うことです。いわば空想上の実験です。空想上ではありますが、極めて本物と近い結果を得ることができます。実証実験をシミュレーションで行うことができれば、費用と時間を大幅に節約することができます。また、従来は実験することが不可能だった地震や津波、台風などの自然現象などの解析も行えるようになります。そうした解析ができるようになれば我々の生活はますます安全なものになります。

たとえば、前述の国産スーパーコンピュータ「京」は、津波の動きを3次元で表現するシステムの開発に使われています。津波の動きは非常に複雑でなおかつ規模も大きいので、一般的なコンピュータ上ではシミュレーションすることができませんでしたが、圧倒的な処理性能を持つ「京」ならばそれも行うことができます。事前に津波のシミュレーションを行っておけば、ハザードマップの作成や、津波に耐えうる構造物の設計などに役立てることができます。このシステムは3年以内に実用化される予定です。

また、スーパーコンピュータは新薬の開発にも活用されています。新薬の開発には通常、多大な時間と費用が掛かります。そこまでしても新薬ができる可能性はとても低く、日本製薬工業協会の調査によると、その確率はおよそ「3万分の1」にしかならないといわれています。しかし、スーパーコンピュータを使えばその確率を劇的に向上させることができます。

たとえば、富士通、東京大学先端科学技術センター、興和の3者は現在、共同でスーパーコンピュータを用いた新薬の開発を行っています。富士通がスーパーコンピュータで化合物の構造を設計し、興和がそれに基づいて化合物を合成し、その作用を検証します。その結果を東京大学先端科学技術センターが改良し、疾患の治療に役立つ新薬の開発を行います。

スーパーコンピュータを使えば、無数にある物質の組み合わせを高速でシミュレーションすることができます。今までの試験官を使った実験と比べると、開発期間を10分の1程度に圧縮することができると予想されています。

このほかにも自動車の開発や心臓の動きのシミュレーションなどにもスーパーコンピュータは利用されています。

ただし、コンピュータシミュレーションも完璧な技術というわけではありません。コンピュータシミュレーションはあくまでも模擬であり、実際に起こる現象とは異なる可能性があります。最初に正しく仮定となるデータを与えないと、単なるコンピュータ上でのお遊びに終わってしまう可能性もあります。コンピュータシミュレーション上での結果をうのみにせず、それが本当に正しいかを検証する姿勢を持つことが望まれます。

 

日本を代表するスーパーコンピュータ

日本はスーパーコンピュータに関して言えばかなりの先進国でありトップクラスの技術があります。中でも特に有名なコンピュータをいくつか紹介したいと思います。

 

京

先ほども触れた、現代の日本を代表するスーパーコンピュータです。富士通が理化学研究所と共同で開発したコンピュータであり、事業仕分けなどの困難を乗り越えて2012年6月にか完成しました。兵庫県神戸市の理化学研究所計算科学研究機構に設置されており、8万個以上のCPUが毎秒1京回以上のすさまじい速度で計算を行います。

 

TSUBAME

東京工業大学内に設置されているスーパーコンピュータです。2006年から2008年にかけて日本のスーパーコンピュータでは最上位を占めていました。現在もアップロードが繰り返されており、日本最高クラスのスーパーコンピュータとして知られています。

 

地球シミュレータ

海洋研究開発機構が所有するスーパーコンピュータです。地球規模の環境変動を解析し、また日本のスーパーコンピュータ技術を維持・向上させるためのプロジェクトで開発されたものです。その名前の通り地球の将来像を予想する際にたびたび使われています。処理性能の公証値は40TFLOPSで、ベンチマーク(処理速度の測定試験)平均は35.86FLOPS。2位に5倍以上の差をつけたこともあります。

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